「入道雲の奥」

詩人「緑の空気」

みなさんこんにちは。かのです。
今回は「緑の空気」として、久しぶりに詩の投稿をします。

突然ですが、私は夏の終わりが苦手です。それは、大好きな夏が終わってしまうからという単純な理由なだけじゃなくて。

夕方(夏)

夏の終わりだなぁと感じる夕方の風も、唐突に始まる秋の朝のひんやりとした空気も、切なさを感じます。
秋の始まりに毎年思い出すのは、何故か高校時代の通学路。黄色い稲の間を自転車で通る帰宅途中の私。その時聞いていた音楽。その時の風の匂い。泣きそうなくらいどうしようもなく切ない気持ちだった当時のわたしの心境。
その時も何かあったわけではなく、秋の空気が私を切なくさせた。

秋は、切なさという言葉では片付けられないような感情が私の中をぐるぐるします。悲しさ寂しさ、焦り。
きっと今月には感じるだろう秋の始まりが、今から少し嫌です(笑)

今年の夏が終わってしまう前に、どうしても夏の詩を一つ紹介させてください。

通学路(夏)

「入道雲の奥」

暑い夏の日
私の生まれ育った町では
大きな入道雲が田んぼの上にできた

強い日差しの中
見ているだけでわくわくする
その大きくて白い雲の奥に
まだ見えない自分の大きな可能性を夢見ていた

今住んでいる町では
入道雲が海の上にできる

青い相模湾の上に
白い雲が広がっている
昔よりだいぶ小さくなってしまったその雲の奥に
今もまだ自分の可能性を信じていたい

これからこの先
私の目に映る入道雲は
どんどん小さくなっていくのかもしれない

十代の頃に見た
あの大きくて激しい入道雲を
忘れずにいたい

いくつになったとしても
自分の可能性を信じられる大人でいたい

いつか恐怖心が冒険心を超えてしまう日が来るのなら
どうかこの詩を側において…

midori_no_kuuki(改訂版)

大きな入道雲は、ワクワクして、だけど怖くて、そして美しい。それは、入道雲の奥、入道雲の先が見えないから。
私の未来も入道雲の奥と一緒で、見えなくて分からない。
だから、ワクワクして怖いんだと思う。

大人になると挑戦が怖くなる。挑戦した先に成功だけじゃないことを、もう経験として知ってしまっているから。
だけど挑戦した先の喜びも知っているはず。

25歳でも30歳になっても40歳になっても、挑戦できる大人でいたい。私の人生はまだ4分の1なんだから。

「緑の空気」

思ったこと、感じたことを忘れないうちに言葉にしたい。そう思ったので詩人になりました。私の言葉に共感したり、何かを感じ取ってもらえたら嬉しい限りです。

midori_no_kuuki

コメント

タイトルとURLをコピーしました